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京都の三大漬物「すぐき漬け」
聖護院かぶを使った千枚漬けや大原の赤しそで色付けをするしば漬けと並ぶ京都三大漬物の一つが、すぐき菜という大きな固有種のかぶを独特の伝統製法で漬け込む「すぐき漬け」です。
天秤棒を利用した重石で樽に強い押しをかける光景で世に知られた「すぐき漬け」は、世界遺産 上賀茂神社で有名な上賀茂地区が産地として真っ先に思い浮かぶと思います。
その一方で、上賀茂から鴨川を挟んだ対岸に位置するここ西賀茂地区も、生産量及び生産者数ともに上賀茂には遠く及ばないものの、代々「すぐき漬け」が継承されてきました。
上賀茂の「すぐき漬け」が大手漬物店やデパート、土産物屋を通じて全国に販売されているのに比べ、ここ西賀茂では代々「あきない」と呼ばれる振り売り手法で、つまり、各農家の女性が市内の特定のお得意さまを巡回するかたちで細々と販売してきましたので、生産量は少なく、世間にも知られていませんが、その製法は上賀茂と同じで代々伝承されてきたものです。
当農園におきましては、真夏のすぐき菜の植付地作りから初冬の室上げに至るまで、全て家族だけで仕上げていることから、その生産量はわずかなものですが、一樽一樽精魂込めて作っていますので、伝統の滋味をぜひ味わってください。
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お値打ち価格
当農園のすぐき漬けの価格は、一般に出回っている漬物店等のすぐき漬けに比べてかなりお値打ち感があると思います。
すぐき漬けは他の漬物と異なり、天秤棒漬けに要する広い敷地又は天秤棒並の大きな荷重をかけるための特製プレス機や冬場に乳酸発酵を進めるための加温室(むろ)など、その製造には特別な設備を必要とする漬物です。
そのため、自家製造している漬物店はほとんどなく、上賀茂・西賀茂地区の生産農家が製造したものを漬物店が買い取って消費者の皆さまへ販売しているのが実情であり、価格の上乗せはいたしかたのないところです。
生産農家である当農園が、直接お客様にお届けするかたちをとっていますので、このような低価格を実現しています。
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品質と味
その低価格から、当農園のすぐき漬けの品質に不安を持たれる方もいらっしゃるかと思います。
しかしながら、当農園は規模が小さい生産農家であることが逆に強味となっており、一株ずつ丁寧に漬け込んだ個々の樽の管理が行き届くだけでなく、その状態もしっかり把握できています。
ご注文を受けた際には、その時点で最良の状態にある樽を吟味し、樽から取り出して速やかにお送りしていますので、真空パックやこれに必要な殺菌処理は行っていませんが、ラブレ菌が活動中の上質な生(き)のすぐきをお客さまにお届けしています。
他方、すぐき漬けの味は、個々の生産農家が「その家の味」を、塩加減と酸味(発酵加減)を微妙に調整して作り出していることから、美味しいすぐき漬けの基準が千差万別、不明確であるのが特徴です。
当農園では、塩分は抑え目にして酸味を伴った風味がしっかりと引き立つすぐきを目指して作り込んでいますが、幸いにも一定のご評価をいただいており、産地のすぐき漬けとして恥ずかしくないレベルにあると自負しています。
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